笑顔で健康になる
笑顔で健康になるという情報は巷に溢れていますが、昔から日本人は笑顔が苦手です。
生まれたばかりいの赤ちゃんの細胞の数は約3兆個。60キロの大人ともなると細胞の数は60兆もあるそうです。その細胞一個の核に含まれるさらに小さい遺伝子が、感動することによって元気に活性化されていきます。そう語ったのは筑波大学の名誉教授 故 村上和雄先生です。
癌患者へユーモア治療を行なったパイオニアは、岡山県の医師 伊丹仁朗先生です。
「笑いには免疫力を高める効果があります。癌細胞は誰しも1日3000個以上発生しています。それなのになぜ癌になる人とならない人がいるのでしょうか。正常な身体は、約50億のリンパ球が、発生した癌細胞を食べちゃっているからです。」伊丹先生は吉本興業の漫才や新喜劇を見て笑うと、血液中のNK細胞が生き生きと活動し、免疫力を高めることを検証し医学会で発表しました。笑いと健康についてマスコミは大きく取り上げました。
落語でも同じような効果があります。実験したのは日本医大の吉野慎一先生です。
大笑いした後で、リュウマチ患者の血液データを測定したところ、笑う前と比較するとデータが劇的に改善されたといいます。短時間でここまでよくなる薬はありません。しかも、7割の患者さんでその効果が1ヶ月以上持続したそうです。
免疫力に加え、笑いは血液を弱アルカリ性に変化させる効果もあります。
不愉快な出来事で胃が痛くなった経験はありませんか。お化粧のノリが悪くなったりシミや吹き出物が出来たりします。その原因は、血液の酸性化にあるのです。ストレスや細菌に対抗するために、人間の生理機能が体を酸性化して守ろうとするからです。そんな時こそ、笑顔で心をリラックスさせることです。
産婦人科の先生で日本笑い学会の理事の昇幹夫先生が僕にしみじみ語ってくれた言葉が今でも忘れられません。「笑いが健康にいいことは誰でも感じていますが、笑いを科学的に検証することは、まだまだいろいろな問題をクリアーしなければなりません。」血液データ共通性と笑いという個人差のある本能を今の科学では測定できないからです。あまり笑わなくても健康な人、長生きする人がいます。いつも笑ってニコニコしている人が感染症や癌に侵され、早死にしてしまうケースもあります。いま、コロナ禍で人の命の不思議さをしみじみと感じています。
「頑張ろう」とストレスをため込むよりも、笑顔の知識と技術で免疫力を高めるべきでしょう。