笑顔の法則
門川義彦
笑顔の法則⑭ 「笑顔呼吸」のススメ
前回、笑顔で健康になるというお話をしましたが、さらに口角を上げ顔を動かして健康になる新発見の話を続けます。
笑顔による売れる仕組みづくりを構築してきた私が、なぜ呼吸の本を書いたのか、疑問に思われる方も多いと思います。
そのきっかけは笑顔研修を受けた受講生からいただいた感想にあります。
「笑顔で売上が上がってきた」「笑顔に自信がもてた」「お客様とのコミュニケーションが楽しくなった」などのコメントの中に「冷え性がやわらいだ」「風邪が引きにくくなった」「肌荒れが治ってきた」「顔面神経痛の治療に有効でした」など。
笑顔研修と直接関係ない貴重な体験談が混じっていました。不思議に思い、その理由を突き止めたくなりました。
小さな知的好奇心が「笑顔呼吸」研究の始まりでした。
大きなヒントが「顔の百科事典」東京大学の原島先生を中心に日本顔学会が編集、丸善出版 にありました。
私たちの顔は、呼吸と深く関係している点を見付けました。
「表情筋は英語ではfacial muscle(顔面筋)とよばれ表情という名称は使われていない、それはなぜかというと表情筋は単に表情をつくるという働きだけでなく、それよりも大事な働きがあるからです。いろいろ表情を作ってみたときに顔のどの部分がよく動くかを試してみると、口の周辺と目の周辺がよく動いているのがわかる・・・ではなぜ口と目の周りに表情筋が集まっているのであろうか・・・」
調べているとわかったことがあります。私たちの顔の筋肉は、人類進化の流れをみると魚のエラの部分が進化したということです。
呼吸筋の不思議な動きや、脳との関係など想像力が働きました。
もう表情筋とは言えない、顔面筋は身体全体を動かすスイッチでした。
特に脳との関係は深く、顔は脳の一部だと捉えています。
表情よりも大事な働きとは何か。私のライフワークになりました。
このヒントを突き詰めてわかったことは、顔と呼吸の関係です。
私の自負している大発見が「鼻の穴の奇跡」です。
口角を上げるだけで、鼻の穴が開き、呼吸しやすくなる。
笑顔になるだけで自然と口角が上がり酸素を取り込みやすくなります。
意識的に笑顔を作るだけで、口呼吸から鼻呼吸へと自然に変わります。
コロナ禍でマスク生活が長期化しています。
マスク着用で大きな生活習慣病が隠されている点を知るべきです。
マスクはウイルス感染予防の多少の効果があるますが、人間を含め全ての動物が鼻呼吸で生まれてきます。
マスクを着用すると口呼吸になりやすくなります。
毎年、高齢者が口呼吸が一因で引き起こす誤嚥性肺炎で約4万人以上の命がなくなっています。
マスク生活で顔の筋肉を動かさなくなり、誤嚥性肺炎の患者も増すばかりです。
呼吸は私たちにとっての生命線です。
人間は、食べ物がない状態で約1ヶ月、水がない場合は3日間生きながらえると言われています。
しかし、酸素がない場合は、5分から10分で命が尽きてしまいます。
笑顔になるだけで、口角を上げるだけで、呼吸が変わり、体調がよくなります。
コロナ禍で笑顔呼吸の提案は、アフターコロナ時代の新しい生き方のヒントになります。
素晴らしい笑顔呼吸の普及活動に、再度挑戦したいと心に誓っています。
頑張らなくてもいいから、自分らしく生きて幸せになろう。
笑顔になるだけ、口角を上げるだけで、口呼吸から鼻呼吸へ。
呼吸が変わると、心と身体がラクになっていく。