【笑顔ビジネスの原点】 あるがままに生きる
明治生まれの父と、大正生まれの母。
その二人のもとに、ようやく授かった男子が私です。
父は滋賀・湖東の出身。高等小学校を卒業すると京都の呉服屋へ丁稚奉公に入り、戦争の時代を乗り越えながら、京都から東京・日本橋へ。
会社のために一生を捧げ、大番頭として働き続けました。
一方、母は江戸・本所の刺繍屋の末娘。明るくおしゃべりで、いつもニコニコ。
そんな母は商売が大好きで、自宅の一階を改装し、父の呉服のつながりを活かして店を始めました。
寡黙で厳しい父と、陽気で笑顔の母。
その間で、歳の離れた姉と妹に挟まれて育った私は、どこかその世界に馴染めず、若い頃は親の期待とは反対の道ばかりを選んでいました。
就職も、結婚も、独立も——
親に相談することなく、自分の思うままに決めてきた人生です。
最後は半ばあきらめながらも応援してくれた両親。
今思えば、本当に“悪い倅”だったなと苦笑いです。
当時は窮屈に感じていた近江商人の教えや、和のしきたり。
しかし不思議なもので、親が亡くなったあと、大嫌いだったはずの「おもてなしの心」が、今の笑顔ビジネスの土台になりました。
嫌いだったものが、いつの間にか一番大切なものになっていたのです。
今こうして生きているのは、すべて両親のおかげ。
感謝の気持ちでいっぱいです。
27回忌の法要には、姉妹夫婦、子ども、孫、ひ孫たち、20人以上が集まりました。
ワイワイ、ガヤガヤ——にぎやかで、笑い声の絶えない法事。
きっと天国で両親も、「いいじゃないか」と微笑んでいることでしょう。
お寺の玄関に掛かっていた言葉、
「自然法爾(じねんほうに)」親鸞聖人
——あるがままに生きる
肩の力を抜いて、流れに身を任せながら、
これからも笑顔で歩んでいきたいと思います。










