【笑顔ビジネス⑦】 「笑顔のマニュアル化」の注意点

【笑顔ビジネス⑦】 「笑顔のマニュアル化」の注意点

笑顔には、「形」と「心」の両方が必要です。
まず大切なのは、相手に笑顔だと伝わる「形」です。口角を上げ、歯が少し見えるくらいの表情は、笑顔として認識されやすくなります。
そして、もう一つ大切なのが「心」です。相手を思う気持ちや感謝の気持ちが加わってこそ、本当の笑顔になります。
この二つが重なったとき、人の心を動かす自然な笑顔になるのです。
とはいえ、私は研修で「今日から形だけでも笑顔を意識しましょう」とお伝えしています。
理由は三つあります。
① たとえつくり笑顔でも、ドーパミンやβ-エンドルフィンなどが分泌され、気持ちが前向きになりやすい。
② 意識して続けることで、笑顔は習慣となり、自然に身につく。
③ 相手から見れば、無表情や仏頂面より、笑顔で接してもらえるほうがずっと心地よい。
「つくり笑顔は嫌だ」「心から笑えないのに無理をしたくない」という声もあります。
もちろん、最初から心のこもった笑顔ができれば理想です。しかし、一日の中で心から笑える時間は、それほど多くありません。
仕事や人間関係のストレスで、笑顔どころではない日もあります。

だからこそ、まずは形から始めればいいのです。
形が変わると、心も少しずつ変わっていきます。私は四十年近く笑顔を研究してきましたが、心が整うのを待つより、形から入ったほうが早く笑顔が身につく人を数多く見てきました。

【マニュアルの笑顔と自然な笑顔】

最近は、接客の現場で笑顔マニュアルを取り入れる企業が増えました
しかし、「形」と「マニュアル」は似ているようで違います。
形とは、笑顔が相手に伝わるための基本技術です。

一方、マニュアルは「口角を何度上げる」「二分咲きの笑顔」「五分咲きの笑顔」など、形だけをそろえることが目的になりがちです。
さらに、マニュアルは「できていないところ」を探す減点方式になりやすく、失敗しないことが目的になります。
その結果、スタッフは本部の指示どおりに動く受け身の姿勢となり、自然な表情や感情が出にくくなってしまいます。

私は、新人採用で容姿も重視するお店の研修も数多く担当してきました。
皆さん美しく、口角もきれいに上がっています。
しかし、意外にも「いい男」「いい女」と言われる人ほど感情表現が苦手で、笑顔づくりに苦労することが少なくありません。
笑顔は、美しさではなく、温かさなのです。
目指すのは、マニュアルどおりの笑顔ではありません。
「自分の笑顔が世界一」と思えることです。
自分の顔を好きになり、自分らしい笑顔を磨くこと。
笑顔は、欠点を隠すものではありません。欠点さえも、その人の魅力に変えてしまう力があります。

だから笑顔は、100点満点を目指すものではありません。

笑顔は、無限点なのです。

笑顔アメニティ研究所 門川義彦

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門川義彦 株式会社笑顔アメニティ研究所 代表取締役 笑顔コンサルタント。1974年、明治学院大学経済学部卒業、大手アパレルメーカー鈴屋で地区エデュケーター、玉川高島屋店長、ファッションビジネススクール事務局長、営業本部販売ディレクターを経て、89年に笑顔コンサルタントとして独立。今までに全国の小売業、製造業、運輸業、行政・公的機関など100,000人、800社以上に笑顔研修を行う。国内経済誌紙はもとより、ロサンゼルスタイムズ紙は一面で、英国BBC放送では度々、世界で唯一人の笑顔コンサルタントとして紹介される。著書に、新刊「かんんたん笑顔呼吸」「売上がぐんぐん伸びる“笑顔”の法則」「笑顔のチカラ」「頭のいい人より感じがいい人」他、ビデオに「売上を伸ばす 門川式 笑顔のチカラ」他。TV、雑誌等メディア出演多数。・2008年~2010年 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科兼任講師・2016年~ 2020年獨協大学 全学総合講座「笑顔のチカラ」ゲスト講師