【ハッピー笑顔塾】 表情筋はどうやって生まれたのか?
「表情筋」とは、笑顔を作り出すために働く顔の筋肉の総称です。
私たちの顔の動きのルーツは、とても古くにさかのぼります。なんと魚の「エラ」にまで!
魚の呼吸器官である「第二鰓丘(さいきゅう)」が進化し、顔の筋肉や神経、目・鼻・口といった感覚器官につながっていきました。だから、表情筋と呼吸筋は“親戚”のような関係なのです。
(参考文献 顔の百科事典 日本顔学会編 丸善出版)
第二鰓丘のおもしろい特徴
それは「半分随意、半分不随意」。
呼吸を例にすると、息を止めることは自由にできますが、ずっと止め続けることはできません。つまり「自分でコントロールできる部分」と「勝手に働く部分」が同居しているのです。
笑顔も同じ。口角を上げるのは自分の意志(随意)でできますが、その動きが自律神経や呼吸とつながって、心や体に“勝手に”いい影響(不随意)を与えてくれるのです。
⸻
鼻の穴に隠された秘密
微笑んだとき、鼻の穴が少し広がるのに気づいたことはありますか?
鼻から息を吸うと、奥にある「海綿静脈洞」が刺激され、脳を冷やし、自律神経のバランスを整えてくれます。
鼻呼吸は脳のリセットボタン。口呼吸では得られない効果なのです。
⸻
微笑みで脳が元気に
・微笑むと脳の酸素消費が減り、リラックス状態に。
・「思い出し笑い」では記憶系、「冗談笑い」では聴覚系が活性化。
・意識的に口角を上げるだけで、脳の回路がつながり、感覚が研ぎ澄まされます。
怒っていると頭がいっぱいになりますが、微笑むと脳に余裕が生まれます。まさに“脳のリセット”です。
⸻
身体が変わる、心が変わる
微笑むだけで体全体にも変化が起こります。
• 呼吸が深くなり、横隔膜が大きく動く → セロトニン(幸せホルモン)が活性化
• 血液循環が良くなり、全身が温まる
• 唾液が増えて免疫力アップ、風邪や肺炎の予防にもつながる
• 腸が動き出し、便秘解消や腸内環境の改善
• 美肌効果もあり、自然にツヤと潤いが出る
つまり、**「笑顔=全身の健康法」**なのです。
⸻
まとめ
呼吸と表情筋には共通のルーツがあり、どちらから働きかけても心と体が整います。
「顔を和ませる → 呼吸が整う → 心が笑顔になる」
これが笑顔呼吸とハッピー笑顔塾の基本の流れです。
幸せづくりや笑顔づくりは「技術」です。
今日から、ほんの少し口角を上げて、鼻からスッと息を吸ってみましょう。
体も脳も自然と変化を始めます。
(参考文献 笑顔呼吸 門川義彦 総合法令出版)