笑顔のつくり方
門川義彦
【ハッピー笑顔塾】笑顔と自己肯定感は、比例する
日本人はどうして、こんなに笑顔が苦手なんだろう——。
そんな疑問を胸に、私は笑顔ビジネスひと筋で「笑顔アメニティ研究所」を立ち上げ、気がつけば35年。
これまでに大手企業を中心に、800社・10万人以上へ“笑顔の仕組み”と“笑顔の技術”を届けてきました。
いまや「笑顔」という言葉はどこにでもあふれています。
Googleで検索すれば、なんと1億4000万件。
笑顔の情報は増えたけれど、果たして人々の笑顔は“幸せの実感”につながっているのだろうか?
そう思わずにはいられません。
「笑顔が大事なのはわかっている。でも、やるとなると難しい。」
これは日本人に根強くある傾向です。
だからこそ、私たちは35年間、まず“笑顔の定義”から向き合ってきました。
辞書でさえ「笑みを含んだ顔」程度の曖昧な説明。
私は「笑い」と「笑顔」を区別することに徹底的にこだわりました。
だから、アイコンタクトとセットで教える——これが笑顔アメニティ研究所の基本スタイル。
技術としての笑顔を磨くことで、誰でも確実に上達します。
日本には神話の時代から「笑いの文化」があり、仏教には“和顔施”という教えがあるほど、
笑顔は人を癒す尊い行いとされてきました。
なのに現代では、笑顔まで“マニュアル化”しようとするあまり、
かえってぎこちなくしてしまうこともあります。
笑顔が苦手な背景には、実は 自己肯定感の低さ があるのです。
内閣府の「若者の意識調査」(13~29歳)では、
「自分自身に満足している」と答えた人の割合は
——
• アメリカ:87.0%
• フランス:85.8%
• ドイツ:81.1%
• イギリス:80.1%
• スウェーデン:74.1%
• 韓国:73.5%
アメリカ人が「自分が好き!」と言える一方で、日本は圧倒的に自信が低い。
でも、海外から帰国すると「日本って本当にいい国だな」と感じる人は多い。
なのに自己肯定感だけはどうしても上がらない——ここに大きな矛盾があります。
ChatGPTに尋ねてみたところ、こんな6つの答えが返ってきました。
1. 小さな成功を意識し、自分を褒める
2. ポジティブな言葉を使う
3. 感情を書き出す(ジャーナリング)
4. 完璧主義を手放す
5. 他人と比較しない
6. 「好き」「楽しい」と感じる時間をつくる
どれもシンプルだけれど、とても大切なことばかりです。
私はこれに “早い段階で自立させること” を加えたいと思っています。
自立とは、「自分の発言と行動に責任を持つこと」。
昔から「可愛い子には旅をさせよ」と言いますが、現代は失敗さえ避けさせようとしがち。
でも、失敗はチャレンジの証であり、成長の宝です。そこから笑顔も自己肯定感も育っていきます。
東京都教職員研究センターは、
自己肯定感が大きく落ちる時期が 小学三年生と中学一年生 にあると指摘しています。
赤ちゃんから小学校低学年までは、愛情をたっぷり注ぐ時期。
そして小学三年生あたりからは、愛情を持ちながら“自立”を促す時期に入ります。
日本は、子どもの自立が少し遅いのかもしれません。
だからこそ、笑顔と自己肯定感を育てるためにも、
「愛情」と「自立」 この二つを、もっと大切にしたい。
そんな想いから——
ハッピー笑顔塾は、これからも笑顔と自己肯定感を結びつけた学びを届けていきます。